30代の何も生まない2ヶ月断酒・一言日記
去年2週間強の断酒(https://in-the-zigoku.hatenablog.com/entry/2021/10/25/201539)をして、そこから今度は1ヶ月断酒(記録なし)その後また飲酒欲がぶり返していたので今回は2ヶ月断酒した。
その一言日記です。
断酒した理由は前回ほどのことはないけど「そろそろやらかしそう」だったから。
1日目 5/24
また虚無(※断酒のことを虚無・無だと思っています)が。得られるものがあると良いですね。
2日目
思うところなし。酒を飲んでない。あすけん始めてみた。
3日目
寝不足始まった。酒飲んだ時より1時間〜1時間半ぐらい遅く寝ている。
4日目
あすけんやめた。入力するのが億劫。休みの前日は飲みたくなりますなぁ。
5日目
昨日はだいぶ飲みたくなったけど散歩やコーヒーがぶ飲みでやりきった。しかしコーヒーがぶ飲みはバカみたいにトイレに行きたくなるので、俺は清水湧く井戸。もしくは大河の源流。これ4日目日記じゃん。
6日目
昨日行った大山崎山荘美術館、アサヒビールがやってるところだからかカフェにビールとかがあって「ぎぃーっ!」ってなった。
7日目
日中ずっと眠い。眠い眠い眠い!
8日目
まだ一週間かって感じ。我慢できるけど飲みたくはなる。
9日目
夜、曲作るなどの作業時間が取れるのは良い。
10日目
ノンアルはうまいのかうまくないのかわからんから無。
11日目
鬼夜更かしからの激ねむ日中。
12日目
ニキビが増えてきている気がする。ポテチ多めな食生活が原因?
13日目
1週目より飲みたくなるのが減っている感じがするようなしないような。
14日目 06/06
健康診断。2週間断酒していることを問診票にどう書いたらいいか分からない。
15日目
酒飲まない分飯とかお菓子食ってるのに、健康診断で体重計乗ったら太ってなかったので、酒のカロリーすごい説を嫁と語り合った。
16日目
お菓子バクバクもぐもぐおいしい!
17日目
休みの前日は飲みたいですねぇ。
18日目
音楽作るのは楽しいですねぇ。
19日目
次の日仕事とかあると諦めが早い気がする。
20日目
無の無。ただやっぱり飲まない分作業は捗る。
21日目 06/13
3週間か。まだ3週間って思う。飲まなくても平気なんだけど思う。
22日目
さすがに、自分がどんな感じで酔っ払ってたかの感覚がぼんやりし始めた。
23日目
虚無。
24日目
そんなことしないと思うけど、このまま酒を飲まなかったらどうなるかな、など考えた。
25日目
無。
26日目
街を歩くと飯屋のビールとか目に付く。
27日目
無。
28日目 06/20
大体1か月。飲みたくなることはあるががまんはできる。酒の代わりにポテチとか食いまくってるから逆に不健康かもしれない。
29日目
書くことないな。元気です、お気遣いありがとう。
30日目
今日もありがとう。
31日目
今日も感謝。
32日目
断酒明けはどっか店とか外でビール飲みたいな。
33日目
お菓子など食い過ぎなので自重したい。
34日目
無。
35日目 06/27
断酒後もこういう感じで、飲まない日8〜9割、飲む1〜2割ぐらいの比率で生活したいので応援してくださいね。応援がないと無理かも〜。
わかりました。
36日目
寝不足か?眠たくなるのが早くなってきた気がする。これで酒飲んだら18時には寝るが?
37日目
朝方、深夜に目が覚めることが多い。やだ〜。
36日目
酔っ払いを見て酔っ払いだと思う哲学。
37日目
酔っ払い(嫁)を見て酔っ払いだと思う哲学連夜。
37日目
子供の学校の夏祭り行事。むわっとしつつ風強め、ビールが合いそうな。
38日目
無。
39日目 07/03
お中元にビールが届いて扱いに困る。
40日目
お腹周りが出てきた気がする。最近加齢が気になりすぎるので妙な悲しみがある。断酒始めの頃の日記読み返したけど、今はそんな、書くほど酒飲みたくはならない。でも飲みたくないわけでもない。「ちょっと飲みたいけど我慢しよう」とかそういう感じの、酒について考える時間が減った気はする。
41日目
健康診断の結果が過去最悪。断酒って何?
42日目
牛肉のビール煮、うまい。
43日目
暑さを感じるとビールはいきたくなりますね。
44日目
おでかけ。街を歩くと飲食店が目についてワインとか日本酒とかいいなと思う。
45日目
コロッケおいしい。
46日目 07/11
一応2週間切ったのか。うーん、飲みたいような飲みたくないような。別に飲んでもいいけど、別に飲まなくてもいい。うーん。虚無。
47日目
無。
48日目
無。
49日目
無だよ無!
50日目
無が蔓延る。
51日目
なんだかんだあと1週間ぐらいなのか。最初は永遠かよとか思う時もあったけど、普通に2ヶ月ぐらいだったな。不便はなかった。
52日目
無。
53日目 07/18
断酒明けてこの感じをキープできるかという不安は非常にある。
54日目。
アニメ描くの楽しー。
55日目
無。
56日目
1週間切ってる〜。
57日目
7月24日が一ヶ月だから25日から解禁?とりあえずビール飲みたい。尿酸値は高いが!飲む。飲んでみたい。けど仕事的にどうだろうか。1本だけか。
58日目
今日で目標の2ヶ月終わり。
体調の変化は前回の1ヶ月断酒と同じでほぼ感じない。体重も変わらない。お菓子とか飯を食べてるから?
二日酔いは当然ない。ただ夜遅くまで起きてるから寝不足。
酒飲んでのやる気低下がないので、その分音楽活動とかがっつり出来た。
メンタルは振れ幅が少ない気はする、が本質的な変わりはない。
断酒明けてもこんな感じで、お酒をセーブしながら生きていきたい。「ちょうどいい」は難しい。
お酒とうまく付き合っていく自信は芽生えてない。
だからねじ伏せる。酒を。俺優位。
32歳既婚ボカロPのねっとりした感じの断酒日記【2週間強の記録・半分ぐらい16時間ファスティング日記】
前段なしで行きます。もし読むなら、もろもろ精神状態を察しながら読んでいただけると助かります。
2021年7月24日(土)夜
15時頃から飲酒、その後に夫婦喧嘩をして、夜その喧嘩について考えていたら、自分の気持ち(悲しいとか悔しいとか)は一切関係なく涙が止まらなくなった。無感情で涙が出てきて怖かった。その時もお酒を飲み続けていた。
自律神経おかしい気がする。
だからお酒を一旦断とうと思った。
2021年7月26日(月)
断酒1日目。18半過ぎ。飲みたさはある。
色々考えた結果、やっぱり「酒ごときになぜ俺が悩まされないかんのじゃ」精神が断酒の理由づけとして一番しっくり来る。(禁煙した時と一緒だね。同じ人間だものね)
昨日のやけ酒(何もかもが嫌になっていた日曜日)のせいか、一日中腹の調子は悪いし鳩尾あたりがいたい。
当面の目標は8月12日まで(13日に予定がある)。
いつも通りの漠然とした不安。昨日のおぼろげな記憶。嫌な気分ですね毎日!!
自律神経、本当におかしいのか?調べてみるかな。いやでもめんどくせえな。
嫁には言わずに断酒開始。もし言って変に応援モードに入られたら恥ずかしいから。ネットだと「協力者を作るべき」って書いてるけどね。バレるまではいいや。
2021年7月27日(火)
5時前起床。昨日は寝付きが悪かった。1時間以上かかった。
夜中細かく目覚めるようなことはなかった。ここ一ヶ月そんな感じだったのに。ずっと寝てられた。夢も見た。鬱Pと実家で焼肉をしようとする夢。チャーハンを作ってshu3メイカのあのエイペックス配信話をした。
禁煙後(7月頭ぐらいにタバコやめた)に毎日感じていた顔のほてりは、今はやや感じる、ぐらい。
11時過ぎ。イライラがすごかったけど多分仕事のこと。酒は関係ないかな。多分。ほてりはほぼ感じない。やっぱり二日酔いだったかな(酒ぐらいしか原因を思いつかなかったので、二日酔いの症状だと断定していた)。
飲みたいとは思わないけど飲みたくないとも思わない。前回も思ったけど、離脱症状ないとかあるのか?離脱症状をしんどいと思ってないだけ?メンタル死んでるから?
いや絶対酒のイライラじゃなかった。仕事。
ウィルキンソンレモンカロリー0。甘くないレモン炭酸、あんまり炭酸ない。
手持ちぶさただとなんとなく飲みたくなる。
2021年7月28日(水)
5時前起床。一昨日よりは寝付きは良かったけど、一昨日より遅くに布団に入ったので当然と言えば当然。すっきりとした目覚めではない。眠い。23時過ぎごろ就寝?寝不足じゃないかただの。うーん、特別体調の変化を感じない。
夢を見た。京都嵐山へ行って色々自撮りしてネットにアップしたら炎上しかける夢。
鏡を見たら顔が薄ら赤い。弁当作ってたから?
ついでに始めた16時間ファスティング、朝弁当作る時間が取れていいね、今のところ。バタバタしづらくなった…気がする。
8時過ぎ。まじで体調の変化を感じない。メンタルもいつも通りダウナー。
17時過ぎ。頭痛がする。通り雨が降ったから、低気圧とかか?薬を飲んだ。酒は「飲みたい!」って一瞬思うことが2時間に1回ぐらいのペースで来ている気がする。10秒ぐらいだけど。
19時半。頭痛がひどくなってきた。
2021年7月29日(木)
5時起床。目覚ましで。頭痛はロキソニンを飲んだからかあとあと良くなって、多分昨日は22時ごろ就寝。夜中目覚めは嫁の独り言以外ではなし。夢は、トミーズ雅さんが病院のデイケア施設で高齢者相手に高血圧についての講演をしている夢。大盛り上がりでみんな楽しそうだった。
ここ3日ぐらいで一番眠たい目覚め。体調の変化は今の所よくわからない。
お腹すいた。とりあえず我慢。
11時過ぎ。腹減ったピークを過ぎた感じ。なんかファスティングの記録みたいになってきたなこれ。
そういえば酒飲んだ次の日に感じてた手のむくみはなくなった。やっぱり酒が原因でしたのね。
21時前。ちょこちょこ飲みたくなるタイミングはあるけど、まあ大丈夫。ただ食欲がすごい。これはファスティングのせい?
2021年7月30日(金)
5時起床。クソ眠わろリンティウス。
夢は細々と見たけど内容を覚えてない。闘ったような…。
朝一、腹減った。とりあえず我慢はするけど、日に日に「腹減った」と思うタイミングが早くなっている気がする。食いしん坊さんめ。
昨日は22時ごろ就寝。やけに眠かった。眠いから寝るのが睡眠の質を高めるってやつなんですか?酒やめたメリットでよく見かけるけど。
体調が良くなった実感がない。逆に、こっから体調が悪くなれば「俺、体調良かったんやな」って思うかもしれない。
ほんとネットで調べたアルコール依存症離脱症状が一個も出ない。俺には禁酒する才能がある。
酒のことは、どんなに安いもんでも「高級品」「贅沢品」だと思った方がいい気がする。
2021年7月31日(土)
5時起床。眠いのは昨日23時半ごろに寝たからだと思う。寝不足。
夢は見たけど思い出せない。一瞬で忘れるね、夢って。さっきまでちょっとだけ覚えてたのに。
酒を飲みたい欲はあるようでないようで。「まあ…飲まなくてもいいかな」状態がずっと続いている。
それよりもファスティングのせいか、夜に腹が減りまくってしゃあない。ファスティング前より食ってない?ってぐらいに色々食ってる。
これどうなんだろ。8時間の間、何食ってもいいみたいに書いてるネット記事はあったけど、普通に考えてそんなことないよね。
昨日の朝より腹が減ってない。やっぱり最後に食べた時間が一昨日より遅かったからじゃないかな。
昨夜嫁と話した感じ、俺が断酒してるのやっぱり気付いてない。そういうところある。
最近喉の調子が良い。これはタバコやめたから?大きい声が出しやすい気がする。
8時半。ファスティングのおかげで酒のことがどうでもいい。酒よりごはん。飯食いたいよぉ。
2021年8月1日(日)
6時過ぎ起床。0時頃寝たので妥当か。クソねむねむ。夏休みの野外企画展みたいなものの監視当番をする夢をほんのちょっと覚えている。他にも見た中の一つ。全体的に、自分が小学生ぐらいに若返っていた。若さ、ほしい。
昨日の夜は22時台まで暴食したからか、今朝はお腹が重い気がする。
酒の代用として買ってみた、カロリー糖類0の三ツ矢サイダーがまんま三ツ矢サイダーで、嫁との話で技術進化ってすげぇや!ってなった。
酒飲みたい欲は今までで1番感じたかもしれないけど、ゆうてまあ全然?大丈夫?やけど?俺余裕やし?
14時。昨日よりもお腹が減らないのは慣れたからなのか、シンプルにお腹空いてないからなのか、わからない。しかし暑い。炎天下自転車3時間は暑かった。
2021年8月2日(月)
5時。ねみ〜。もうちょっと寝たい。夢は老人会の野外レクリエーション。狭い道を複数台の台車を押して通る際、イライラしてキレた。夢、野外ネタ多くない?
酒に関してはまじで何もないなぁ。もう1週間か。
メンタルは多少安定してる。これは断酒の成果かも。
11時。ランナーズハイみたいに、いつまで食べなくて平気な気がする。慣れかな?
14時。飯とかお菓子とか食いすぎるな。朝飯食ってない意味がない。がまんしよ。腹一杯すぎてしんどいし、眠い。
19時。外食。外食は敵かもしらん。あれをつまみにビールを、的な発想がめっちゃ浮かぶ。がまんは出来るけど(大人なので)一杯ほしくはなるなぁ。
2021年8月3日(火)
5時起床。少し前から断続的に。保育園児たちと鬼ごっこ。柵の中で園児たちから逃げ回る。左手にタッチされたらアウト。半身になって柵を背に、左手を体でカバーするスタイルが基本的な防御姿勢。あと自分がブレワイのリンク的な存在になっての大冒険。地面のひび割れを爆弾でどうにかしようとしていた。
現状腹減りなし。酒欲もなし。
19時。ノンアルビールを買ってみたので飲もうと思いました。
すげえうまいんだけど。喉越しがよお。ノンアルのくせによお。虚無のくせによお。
21時半。クソ腹痛マン。ノンアルか?
2021年8月4日(水)
4時に一旦起きて二度寝。5時起床。体調は普通オブ普通。夢は見たけど覚えてない。断酒し始めてから夢を見る回数が多い気がする。あと内容のバリエーションも多い気が。毎日配信かな?
腹痛は収まっているはいますが……なんだったんでしょうか。昨夜は鬼の形相で耐えた。様子見。
17時半。昨日のノンアルアサヒがうまかったので今日も買ってみた。キリンの零ICHIとオールフリー。暑いからかまじでうまい。
2021年8月5日(木)
5時。くるりゆかりの地を巡ろうとしている夢。とりあえず家のゴミ出しをしていた。えらい。
酒に関して特筆することなくなってきたな。体調の変化もないし。この感じ、飲んだら飲んだで普通に「おいしい」って思いそう。
ノンアル飲んで「おいしい」って感じたことについて考えたけど、結局は「味が好き」で「アルコールが入っているかどうか」は関係ない?なら一生ノンアルビールでいけるじゃん。
そういえば薬局に微アルコールのビール売ってたな。ちょっと飲んでみたい。高かったけど。
2021年8月6日(金)
5時。夢は見たけど覚えてない。妙に腹が張っている気がする。
食欲が止まんねえな!止まんねえよ!
一つわかったこと。楽しいと酒を飲みたくなる。ストレス発散のためよりも飲みたくなるかも。もっと楽しくなりたい!って思うのでしょうか。昨日そんな感じだった。そこで酒がいらなくなるのが良いんじゃないかな〜。
昨日は57kgでした。
2021年8月7日(土)
5時。くそねみねみダンスタイムパーティー。夢はなんか見たけど覚えてない。
酒欲、腹減り、体調などほんと変わりない。かわらずの石でも持ってるんじゃないですか、荒木さん。
昨日は嫁さんが日本酒飲んでたけどうらやましいとかはあんまりなかったな。おいしいものが食べてぇ。わしゃずっと。ずっっっっっと。
2021年8月8日(日)
5時。休みの日まで5時起きとかおじいちゃんかな。夢の中でエイペックスしてたな。新キャラのスキルを試していた。円形の索敵エリアを作るスキル。新キャラにそんなスキルないのにね。おかしいね。
昨日からずっとお腹張ってるな。ぱんぱんやぞぱんぱん!
7時。めちゃくちゃ腹減ってきた。やばぁ。
2021年8月9日(月)
5時。猫多頭飼いな施設を何とかする夢。ねみー。
今日で2週間か。えらい。目標まであとちょっと。いけそう。やっぱり体調の変化はないけど。
お腹周りがぱんぱんな気がする。食い過ぎかなやっぱり。
2021年8月10日(火)
5時。ポケモンバトルの練習をしていた。4人1チームだったけど、俺が最弱だった。格ゲーの練習もしていた。ゲーム脳。
いよいよ書くことなくなってきた。食べすぎる以外に書くことがまじでない。ノンアルは良い感じに美味いし。しかしとりあえずの終わりが見えてきたな。普通にできたな、断酒。
2021年8月11日(水)
一回3時45分ぐらいに起きたけどトータル5時。ねむー。家をDIYしようとする夢。shu3登場。shu3が登場する率、最近高くない?恋かな?流れは覚えてないけど、夢の内容的に一度目が覚めたってことはちょっと眠りが浅かったのか。そうじゃないかな。
あいも変わらずお腹ぱんぱん丸。
最近ノンアル飲み過ぎ。節約しよう。
ここ一週間ぐらいお腹の調子が悪いことが多いので、16時間ファスティングやめようと思う。多分やり方間違ってる。明けに食べすぎ。間食を抑える方向で。
2021年8月12日(木)
5時。夢見たけど覚えてないパターン。
昨日書いた通り16時間断食はやめます。食べるものは意識しよう。食べすぎないように。食物繊維!
というか今日断酒期間最終日じゃん。あれ〜はや〜。
ほんとまじで全然断酒余裕でした。アル中とは。離脱症状とは。
このノリで、かる〜いノリで酒の量を抑えていければいいね。週一ビール1本だけぐらいが最高な気がする。週末のお楽しみ的な感じで。いけるいける!
ただ明日は飲むんじゃないかな。用事があるんで。
明日飲んで、次の日とかに日記書いて、この手記は終わるんじゃないでしょうか。
【総括】
この総括を書いている現在は2021年10月25日。なんとなくまとめる気がおきなくて時間が開きました。
「断酒しよ」って思ってネットを調べた時、「断酒〇〇日達成!」とか「今日もがまん出来た!明日もこの調子で!」とか、「さわやか断酒日記」しか見当たらない感じで「オタクのねっとり生々しい断酒手記」みたいなものを生み出したくなったのでこれを書きました。
俺にとってのこの2週間強は……
・酒を断つのは存外余裕でした。
・16時間ファスティングは俺には合いませんでした。間の8時間で食べ過ぎる。
以上です。
2021年8月13日(金)
総括を書いたあとにここの部分を書いているので、ぼんやりとした記憶の再飲酒記録。
2週間強飲んでなかったとは思えないぐらい普通に飲めた。
感慨もクソもなかった。
この時間、何?
【後記】
この日記では18日ぐらいの断酒でしたが、現在1ヶ月以上飲んでないです。
今のところ体調の変化はわからず、食欲マシマシ。
強いて言うなら「二日酔いにならなくなった」だけが変わったところ。
断酒に慣れたのか?以前よりも無を感じる。
【音響のコツ】バミってなんぼ!音響の必需品「ガムテーム」の使い方
この記事は以前のブログで書いた内容を加筆修正したものです。
■どうあがいても必須アイテム「ガムテープ」
こんにちは、元音響マンのライター、荒木若干です。
今回は音響におけるガムテープの有用性、重要性についてお話していこうと思います。
音響、というよりはステージイベント全般で、無いと困る必須アイテム、ガムテープ。
舞台関係の仕事をしている人ならその必要っぷり、そして有能っぷりをご存知でしょう。
音響での用途は主に、
1…演者の立ち位置、機材を置く位置の目印
2…ケーブルの整理、保護
の2点で使用されます。
ということで、まずはその2つについて、これから掘り下げていきます。
■「バミり」目印としてのガムテープ
ライブでも演劇でも良いのですが、例えば演者がステージ袖からどーん!と走って出てくる場面があるとします。
その時「ここだ!」という演者の感覚で止まってしまうと、本来の立ち位置からズレてしまう可能性があります。
そういう事態を避けるため、リハーサル時点で決まった立ち位置にガムテープを貼っておく。目印ですね。
これを業界用語で「バミり」と言います。
走って出てきても演者がバミってるところを確認して止まれば、リハーサル通りの立ち位置に立てるのです。
そういえばテレビ番組を見ていると、時々スタジオの床にシールか何か貼っているの見かけませんか?あれもバミりです。出演者に立ち位置をそれとなく教えてくれているんですね。
機材も同じ。例えばステージの進行上、途中からマイクを立てなければいけない場合、リハーサルと違う場所に立ててしまうと、リハーサルをやった意味がありません。
というのも、リハーサルの段階でミキサー等を使って適正な音をスピーカーから出せるよう設定するのですが、リハよりもマイクの位置が近くなると音が大きくなるし、遠ざかれば小さくなります。当然ですね。
そうなると一から設定し直しです。本番中に音量が上下左右。聴いているお客さんがうんざりしてしまいます。
また、ちょっと専門的な話ですが、音が出る場所から例えばマイクまでの距離で、音色というものは変わります。
ドラムのスネアを想像してみましょう。
マイクで集音する際、近づけたら大きな音を拾ってくれるというのはイメージしやすいかと思いますが、それだけではなくスティックで叩いた時のアタック感、スネア裏面についているバネ状の何か(スナッピー)の「シャン」という音も一緒に入ります。
逆に離すと、そういう臨場感あふれる音色ではなく、もっと空間的な、スネアとそれが置かれた場所、部屋の「響き」みたいなものが集音できます。
近づけた方がいい、離した方がいい、という良し悪しの話ではありません。
音響マンは演者の表現したい音を考えながら、機材の設定を変えていきます。
その場所と演者に合ったやり方をリハーサルで探り、決めて、本番に臨むのです。
なのでリハと違う場所にマイクを立ててしまうのは良くないのです。
ちなみに、音が出るところに近づけて集音することを「オンマイク」離して集音することを「オフマイク」と呼びます。
クラシックのコンサートなんかで天井から何かぶらさがっているの、見たことありますか?あれって集音用のマイクなんですが、つまりめちゃくちゃ「オフマイク」で集音してるんですよ。クラシックはその会場での「音の響き方」が大切なので。
バミリの話に戻ります。
機材を置く位置に目印がないと、単純に「ここかな?ここだっけな?」と場所を探るのにまごまごして、イベント進行自体が遅れてしまう事態も起こります。
バミっておけば、スムーズに準備が進むのです。
■演者にも音響マンに得!ケーブルの整理、保護
2つ目です。
特にバンドのライブだと、ステージ上をケーブルが組んず解れつ行き交います。
そのままだと、まずステージの見た目が汚くなります。せっかくの晴れ舞台、ステージ上が散らかって見えたら台無しですね。
そしてそういう状態だと、演者が足をひっかけてコケる可能性もあります。
なので、特に人が通る道(動線)にケーブルを這わす場合、ガムテープ等で固定しておかなければなりません。
これはケガをしないように、つまり演者やお客さんを守る意味合いもありますが、それだけじゃありません。
もしも誰かがケーブルに足をひっかけてしまった時、固定していないとケーブルが引っ張られ、端っこの機材と繋がっている部分(コネクター)が破損するケースがあるんです。
単純な話、糸を両手で思いっきり引っ張ったら切れるじゃないですか。それをステージでやるのは、ちょっとしたハンティングですね。
というかケーブルを踏まれるような場所に這わすこと自体、出来るだけ避けるべきです。
とにかくケーブルをガムテープで固定!
これは機材の保護に繋がるのです。
(この記事の根底を覆すようなこと言いますが、ケーブルを保護するなら世の中にはケーブルマットというそれ専用のものがありますので、特に動線でのケーブル保護はそれを使うのをオススメします。ガムテープさん、すみません。)
■どんなガムテープが音響向きか?
ここまでたくさん登場してきた「ガムテープ」という言葉ですが、しかしその種類はいろいろありますね。
そしてその中には、音響には向かないものも。
なのでガムテープ選び自体、音響においては重要です。そのことについて少し書いてみます。
まず、ガムテープは布タイプを選んでもらったら間違いないです。
というのも、紙タイプを使うと、撤収時にガムテープをキレイに剥がせません。
誰しもが経験あるであろう、シール、そして跡を剥がすめんどくささ。嫌ですよね。私は嫌です。
ましてや音響は、借りている会場で行うことも多いです。「キレイに剥げないのでこのまま帰っていいですか?」なんて言った日には会場出入り禁止です。
そしてここで一つ、私の体験談をお話ししましょう。
昔、ガムテープを会社に忘れてしまい、近所の100円ショップで調達したことがあります。
イベントは無事終わり、さあ撤収だとケーブルを固定していたガムテープを剥ぎました。
するとガムテープの粘着部分が溶けるように、ケーブルにべったり張り付いてしまっていました。
動線のケーブル全体を、覆うように5mぐらいビャーっと留めていたので、その部分が全てです。
そのベタベタ、雑巾で拭いても取れません。
根気よく何回も何回も拭き直して「なんとか実用に耐えられそうかな、いや…使いたくねぇな…」程度にしか復活しませんでした。
なのでガムテープはちょっと割高でもホームセンターにあるようなものをオススメします。
私のオススメは「オカモトテープ」です。大体どのホームセンターにも売っているので手に入りやすかったです。
さきほど話したガムテープのように、粘着部分が溶けてしまうものとそうでないものは、テープをよく観察すればなんとなく分かります。
茶色部分がつるつるしていて、粘着部分がやたら白いやつは注意です。
茶色部分に繊維が見えていてデコボコしているやつは安心できます。
いやもちろん、普通の用途なら100円ショップのやつでも十分ですよ?
■ガムテープ選びは色も重要
さてガムテープ選びでもう一つ大切なのは、色。
普段生活していてよく見かけるガムテープと言えば茶色ですが、音響の現場では黒が使われることが多いです。
というのも、ステージの床が黒の場合、茶色とか他の色だと目立っちゃうんですよね。お客さんに「うわ、あそこガムテープ貼ってるわ」と思われてしまいます。
アンプやスピーカー等も黒色が多いので、やはりそれに合わせた色にした方が見栄えは良いです。
しかし例えば、上で書いた立ち位置のバミりを黒のガムテープでやって「見づらい!分かりにくい!」となること、そしてステージ床が木材だったら茶色より黒の方が目立つ、そういう状況も考えられます。
なので打ち合わせの段階で、どの色が適切かしっかり把握しておくのが良いでしょう。
余談ですが、立ち位置のバミりだけならビニールテープもいいですね。幅が小さい分、目立ちづらいので。剥がれやすいですが。半透明な緑色の、養生テープを使う手もあります。
■ケーブルの方向転換。ガムテープ使用のコツ
最後に、ガムテープを使う時のコツを少しご紹介して、この記事を締めようと思います。
ガムテープでケーブルを固定する際ですが(長方形なステージが多いからでしょうか)なんとなく、ケーブルの曲がる角度をステージの角に合わせて90度ぐらいにしたくなります。
が、そういう風に鋭角でケーブルを長時間固定すると、芯が痛む可能性があります。
なのでステージ角で固定する時は、くるっと一周輪っかにしてからガムテームを貼ると、90度以上の方向転換でも、ケーブル自体は緩やかにカーブする状態を保ってくれますよ。
今回も長くなってしまいました。最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました。
またお目にかかる機会があれば、よろしくお願いします。では。
【音響のコツ】ラッパスピーカーのアレやコレ。そして「パラレル接続」をざっくり解説
この記事は以前のブログで書いた内容を加筆修正したものです。
■ラッパスピーカーとは
こんにちは、元音響マンのライター、荒木若干です。以前は「【音響のコツ】マイクの定番「SHURE SM58」を音響の現場でうまく活用する話」という記事でお世話になりました。どうもどうも。
題字にあるように、今回はラッパスピーカーについて書いていこうと思います。
私は「ラッパ」と呼んでいますが、「ホーンスピーカー」「トランペットスピーカー」と言うのが一般的かもしれません。でも好きに呼ぼう。人間、好きなようにするのが一番です。
今回この記事では、私が呼びやすいので総じて「ラッパ」と表記します。
こんなの。
車についてるスピーカーとしてよく見かけるアレのことです。
市役所の車とか焼き芋売りの車とか。あとは選挙カー。
学校なんかだと、校内放送用に使用されることもありますね。
手持ち拡声器、メガホンもその一種です。
一番の特徴と言えば、やはり防滴性。
多少の雨が降りかかったところで壊れる心配はありません。
そして、多少じゃない雨の場合でも、ちょっとしたコツさえ押さえておけばなんとかなる可能性、大いにあります。この記事の後半でそのコツについて触れますのでお待ち頂ければ。
■ラッパの仕組み
上の図に描かれているように、ラッパの作りは大きく分けて「ホーン」部分と「ユニット」部分があります。
先が広がったあの部分がホーン、お尻側のすぼまったところについている機械部分がユニット。
ものによりますが(外枠ががっつり固定されてるものもあるので)ホーンとユニットがくっついている部分は大きなネジ穴のような作りになっています。
なので、ひねると簡単に分離可能。
そして、分離してもらうと分かるんですが、ホーンはほんと、ただの筒。
逆にユニットはずっしり重い。中にはコイルが詰まっています。
つまりユニットはスピーカーなんです。だからホーンを取り外した状態、ユニット単体でも音は出ます。
じゃあなんでホーンがついているかと言うと、音に指向性を持たせるため。ホーンがあるから正面に音が飛んでいくのです。
さらに、さきほど書いた防滴性にもホーンが役立ちます。ちょうど屋根のような役割を果たしてくれるわけです。
ユニットの音が出る部分には穴が空いているのですが、もちろん機械ですから、そこから水滴が入るとショートして壊れたり、錆びたりします。
それを防御してくれるのがホーン。
ホーンさん優秀。王女を体を張って守る騎士みたい。
■「W?」「Ω?」「パラレル接続?」専門用語をざっくり解説
ここで少し話が脱線しますが、ラッパに関係ない話ではないので、音響の用語解説を挟ませてください。
例えば自宅用スピーカーを選ぶ時に「W(ワット)」「Ω(オーム)」そして「パラレル接続」などという言葉と出会ったこと、ないでしょうか。
音響をしていると、特に機材購入を検討しているとかなりの確率で目にします。というか音響をやるなら、これをある程度分かった上で機材を買わないと困る未来が待ち受けます。機材が壊れます。音も悪くなります。
ということで、私の知識範囲でそういった専門用語を説明しよう……と思ったのですが、いかんせん上に挙げた3つの用語の解説だけでもめちゃくちゃ長くなります。スクロールバーが米粒になります。
そこで、これを書くにあたって、Twitterにて「どの専門用語が一番意味不明か」というアンケートを取ってみました。結果はこちら。
https://twitter.com/jakkan_araki/status/1189310578986291200
アンケートにお答えいただいた方、ありがとうございました。「全部分かんねぇ」ってツイートも見かけたので、その方には今度長文解説DMを送ろうと思います。
ということで、アンケートの結果通り「パラレル接続」について書きます。
■「パラレル接続」とは
「パラレル」と聞くと「ワールド」ってつけたくなりますよね。
つまり「パラレル」とは「並列」という意味です。なんかカギカッコが多くてすみません。
「並列」と言えば小学校の理科の授業思い出しませんか?
2つの電池を使った実験「直列繋ぎ」と「並列繋ぎ」で豆電球を光らせるアレです。
直列繋ぎの方が明るく光り、並列繋ぎの方が電池が長持ちする…と、その実験の結果は置いといて、重要なのは繋ぎ方。
直列繋ぎはプラス、マイナス、プラス、マイナス…の順番で線を繋ぎます。
対して並列繋ぎはプラスはプラスでまとめて、マイナスはマイナスでまとめて結線します。
そうそれ!その並列繋ぎ!それこそが我らが追い求めていた「パラレル接続」です!
■なぜ「パラレル接続」するのか?
ここでラッパの話に戻りましょう。
ラッパはプラス、マイナス2本の線を繋げば音が出ます。
しかし例えば選挙カーのスピーカーとしてラッパを使う場合、車を中心に全方位へ向けて音を出したくなるじゃないですか。そうなると複数個のラッパを使うことになりますね。
そこで登場するのがパラレル接続です。
実は、ラッパは直列繋ぎでも音が出ます。
2個のラッパを使うと、こんな感じの繋ぎ方。
図にも書いてますが、直列繋ぎの場合プラスからマイナスへ音の信号が流れていきます。
さて並列繋ぎ(パラレル接続)だとどういう繋ぎ方になるのかですが、
こうなります。とりあえず同じ極を全部まとめたらいいんです。
さあ、なぜパラレル接続するのか?
それは複数個のスピーカーから同じ音を出すため。
さきほども書きましたが、直列繋ぎでも音は出ます。
が、実はアンプから繋がる1つ目のラッパ、そしてそこから繋がる2つ目のラッパで、音が変わってしまうのです。
何がどうなってそうなるか…というのはごめんなさい、私もよく分かりません。ぜひみなさん自身で調べていただいて、あとで教えてください。TwitterのDMで待ってます。
ただ私が過去にやった音響で、間違えて直列繋ぎをしてしまった時の音の変化をお伝えしておきます。
・1つ目と比べて2つ目のラッパの音量が小さい。半分以下。
・音量は小さいのに、音が割れている。ガビガビ。電波の悪いラジオ状態。
以上の現象が起こりました。
私の中では「直列繋ぎをすると1つ目のスピーカーがパワーを持っていて、2つ目に流れ込む分のパワーが足りない」というイメージを頭で固めています。
それを避けるためのパラレル接続です。この繋ぎ方だと「複数個のスピーカーに等分のパワーが送れるから、それぞれから同じ音が出る」ということ。
この説明で「パラレル接続」とは何かが少し掴めていただいていたら嬉しいんですが、どうでしょうか。
細かい話をすると、アンプから伸びる2本の線がプラス、マイナスではなく「L」「R」なこともあるし、スピーカー単体でパラレル出力(スピーカー内部にパラレル接続機能みたいなのがついてる)出来るものがあったり、それこそ前述した「Ω」のこと考えないといけなかったり、言葉足らずな部分がめちゃくちゃな数あります。
が、パラレル接続の一点に絞ればだいたいこんな感じです。
おおまかに押さえていただければと思います。
ちなみにこの説明で、よく聞く言葉だから分かりやすいかなと思って「+」のことを「プラス」「−」のことは「マイナス」と表記してきましたが、実際、音響などの現場では「+」のことは「ホット」「−」のことは「コールド」と呼びます。
なのでこれから音響を始められる方は、会話の中で「パラレル接続はホットはホットでまとめて、コールドはコールドでまとめて…」と登場させてみましょう。手軽に音響マン気分が味わえますよ。形から入るの、楽しいですよね。
■ラッパを車に取り付ける時のコツ
では最後にラッパを車に取り付ける時のコツみたいなものを紹介します。
というか、野外でラッパを使う時ならどんな状況でもこうした方が良いです。
雨の時に車を走らせると、雨粒は前方から吹き込むように車体に当たりますよね。
それを考えずラッパを車に取り付けるとこうなります。
ラッパの向きってなんとなく、水平線と平行か上向きにしたくなります。そんな形してます。
が、そうすると雨の時、中のユニット部分まで雨粒が届く可能性が跳ね上がります。もしそうなると、もちろん故障します。散財です。もったいねぇ。
さらに言うと上向きの場合、ちょっとした水滴であってもホーンの上部を伝って奥まで入り込んでくる、そういうこともありえます。
なのでこうしましょう。
図は極端に描いてますが、ホーン上部と水平線が並行になるぐらいの角度をつけると、吹き込みに強くなり、角度がないので水滴も垂れてきません。
固定パーツ部分はだいたいがナットで止まっているので、レンチさえあれば角度を変えられます。
もちろん、ホーンが下向きになるので音は遠くまで飛ばなくなります、が、正直些細な違いです。それよりも財布の中身、守りましょう。
ここまで話しておいてアレですが、車屋さんに言えば取り付けてくれることもあるので(スピーカー用のアンプを載せる際、車のバッテリーを使った電源処理が必要な場合がある。素人では難しい、というか感電が怖い)ほんと極々一部、個人的にラッパスピーカーを使いたい方向けの、とってもニッチな音響のコツでした。
長くなりました。ラッパの話は以上です。また次の機会にお会いできれば。
2019/12/17:追記
コメントにてご指摘があったので追記です。
ラッパスピーカーは雨水がユニットに入っても問題ない製品もあるそうです。「水抜き穴」と呼ばれる穴が空いていて、排水出来るものもあります。ただ、そういう構造ではないものもあります。結露でやられる可能性もあります。水分って怖いわ。
なのでみなさん、その辺りはメーカーに問い合わせていただくのが確実です。私の話だけを信用してはいけません。こいつは現役音響マンじゃない!今だ!捕まえろ!
ちなみに機材の仕様書見たら防水、防滴かどうか分かるのでチェックしてみてくださいね。
この記事は株式会社サウンドハウスさんに寄稿しました。
【音響のコツ】マイクの定番「SHURE SM58」を音響の現場でうまく活用する話
この記事は以前のブログで書いた内容を加筆修正したものです。
■はじめに
初めまして、荒木若干と申します。
普段は主夫をしつつパートに出かけたり、漫画や音楽のライターとして活動している者です。
私は以前、地元の会社で音響担当として約7年ほど働いていました。
プロアマ問わず、というよりも来る者拒まずな会社でしたので、非常に幅広いジャンルの現場に出向きました。
イベント企画から関わるような仕事、演歌歌手のコンサート、バンドのライブ、夏祭り、カラオケ大会、結婚式、役所行事、避難訓練、小学校の運動会などなどなどなど。
本当にたくさんの経験させてもらったので、今の音楽ライターとしての仕事があるのだと思っています。
さて今回、そういう音響を通して得た知識、というか小技裏技、つまり「音響のコツ」みたいなものを、みなさんにご紹介します。
正直、私は音楽系の学校で勉強してから音響マンになった訳ではないので、専門知識についてはかなり疎いです。なので周波数特性がどうとか、ディレイタイムはどうとかの話は出来ません。期待していた方はすみません。
そういう話ではなく、ほんと、ちょっとした音響テクニックについて。
いやテクニックというほどでもなく、それをどう表現したらいいか難しいんですが、じっくり考えてみるとやっぱり「コツ」という言葉に落ち着きます。
「今度初めて野外で音響やるけど、なんかうまいことやる方法ないかなぁ」という情報をお探しの方向けです。
ネットって、レコーディングやDTMの情報はけっこう出てくるんですが、現場でやる音響のハウトゥー記事とかって少なめなんですよね。1日で見終わってしまうぐらい。
この話が、少しでも誰かの助けになれれば幸いです。
■音響マイクのド定番「SM58」について
タイトルにもなっていますが、これからSM58というマイクについて書かせていただきます。
マイク、と一口に言ってもとんでもない数があります。
サウンドハウスサイト内のマイクカテゴリーを開いてみると、ざっくりですが約2500種類ほど販売されているようです。すごい数。
しかし、音響で使われるマイク、といえばその数はグッと絞られます。
そしてその中でも特に有名、定番、世界共通の1本、それがSHUREのSM58です。
音響会社の倉庫、レコーディングスタジオ、リハーサルスタジオ、ライブハウスなど、音楽関係の場所に行けばどこにでもあります。間違いなくあります。少なくとも私は「うちにはないです」という話を聞いたことがありません。ない場合はマイクについてめちゃくちゃこだわりがあるんだと思います。
業界用語で「ゴッパ」「ゴッパチ」「ゴーハチ」などと呼ばれます。音響をこれからやってみようと思っている方は会話の中で「ボーカルマイクはゴッパーで…」とか登場させてみましょう。手軽に音響マンの気分が味わえますよ。
その特徴は何と言っても頑丈さ。ちょっと落としてしまった、ぐらいでは壊れません。メンテナンスのしやすさも魅力の一つです。マイクには人の唾が飛ぶので、使っているうちに臭くなるんですよね…。そういう時はマイクの頭、グリルと呼ばれる部分を取り外して洗えば解決。
値段は約一万円ほど。輸入品なのが理由か、時期によって安くなったり高くなったりします。
ちなみにSM58と並んでSM57というマイクも定番です。同じメーカーSHUREの出しているやつですね。呼び方は「ゴーナナ」。SM58のグリルがないバージョン、という感じです。SM58はボーカル用、SM57は楽器集音用として使用される機会が多いです。
■マイクにはスイッチなしとスイッチ付きがある
ここで少し話が逸れますが、普通、音響で使われるマイクはスイッチ付きではないことが多いです。
なぜか?
それは音が出ないトラブルを避けるため。
例えば、学校の集会で校長先生がマイクの前に立ち、一礼して喋り始めた…というタイミングで、スピーカーから声が出ていない、そんな場面に遭遇したことありませんか?校長先生が苦笑いしながらマイクのスイッチをオンにしたりして。
そうです。マイク自体にスイッチがあると、こういうことが起こりやすいのです。
直前までマイクを使っていた人がスイッチを切って、それに気付かず、そのまま次の人が喋り出す。だから声を拾ってくれない。
一般の方がマイクに一番触るのって、カラオケだと思うんです。
カラオケのマイクってスイッチありますよね。そして自分が歌い終わったらスイッチ切りますよね。
多分みなさん、それがクセになっているのだと思います。マイクのスイッチは使い終わったら切るもの。
これが学校の集会やカラオケだったらまだいいですが、大好きなアーティストのライブの、最初の曲の歌い出しでそうだったら、どうでしょうか。がっかりしてしまいませんか?せっかく期待して待っていたのに。吉本新喜劇ばりにズッコケそう。
そういう音が出ないトラブルを避けるため、スイッチなしのマイクが使用されるのです。
なので音響をやっていると、スイッチないのに、マイクのスイッチを切ろうとしている人に出会うことも。なんだか微笑ましい気持ちになります。ちゃんと伝えるべきでしたね、すみません。ミキサーでオンオフができるんです。
■SM58スイッチ付きの利点について
さて、SM58は2種類あって、スイッチ付きとスイッチなしが販売されています。
そして上記した通り、普通の音響ではスイッチなしが使用されます。
しかし私が音響をやっている頃は、スイッチ付きのSM58を使っていました。
その理由が、主題である「音響のコツ」に繋がります。
私はよく1人で現場に出向いていました。会社の事情で、音響の仕事になかなか人手が避けなかったのです。
搬入から撤収まで、そのイベントの音響全てを1人でこなすことも。音響自体は面白いし好きだから良かったのですが、体力的にはけっこう大変なんです。
外食チェーン店でのワンオペ問題を想像してもらえば、なんとなく分かっていただけるのではないでしょうか。
音響の現場ではステージと機材が置いてある音響ブースがあり、私はそのブースに1人陣取るわけです。
そこでミキサーなどを操作するのですが、さて1人で音響をやると一番大変なのが、トイレ。
本番中にトイレに行きたくなると、それはもう悲惨です。
ブースを離れる訳には行かず、もじもじしながらなんとか本番をこなします。
そして少しだけある休憩時間や転換のタイミングで、トイレに走ります。ダッシュです。全力です。
ただ私が席を離れた際、ちょっとこの時間でアナウンスしたいことがある、となった場合、私がミキサーでマイクをオフにしていたら、どうなるでしょうか。
ミキサーという機械は見た目からしてややこしいです。こんなに必要か?というぐらいにツマミがあります。アナログミキサーならまだしも、それがデジタルミキサーになればなおさら。
なので全く知らない人なら、まず触れません。
ということで音が出せません。困ります。
そういう時のスイッチ付きです。
ミキサーでは常にマイクをオン。音を切るかどうかはマイク側のスイッチで。
自分が席を立つ時は、その現場の担当者の方に「ちょっと席離れますんで、何か喋ることあればマイクのスイッチ入れてくださいね」と伝えます。
「ミキサーのこのボタンを押して…」と言うよりも断然分かりやすいはずです。
このように、場合によってはスイッチ付きのマイクが便利なのです。
紹介の仕方がかなり限定的になりましたが。
■SM58スイッチ付きの便利機能
ここでSM58スイッチ付きの便利な機能について。
これまで、音響のマイクは基本スイッチなしのものが使われる、私は特別にスイッチ付きを使っていた、という風な話をしてきました。
ですが、私にだってスイッチなしが使いたい時もありました。
しかしそういう時、スイッチ付きのマイクを無理やり使って、何かの拍子に誰かがちょっとマイクにぶつかって、スイッチが切れてしまう可能性、大いにあります。
さて、それを人のせいにするのは音響マンの恥。
そうならないよう、対策を講じる必要性が出てきます。
はい、こちら。SM58スイッチ付きです。初めましてこんにちは。
胴体部分にスイッチが見えますね。これの上げ下げがオンオフです。
便利機能とはこちら。指で触っている長方形の部分です。
これはそのままこの形の金属プレートで、ネジで固定されています。
ドライバーで簡単に取り外し可能。
そしてよく見ていただくと分かりますが、このプレート、ネジ穴が中心にありません。
穴の上下が非対称の幅なんですね。これがキモです。
最初の状態だとスイッチは当然、上下に動きます。
しかしこのプレートを外し、上下を逆さまにして取り付ける。
すると、プレートがストッパーになって、スイッチをオンの状態で固定出来るのです。
こうすればスイッチがオフになることはありません。
簡易的なSM58スイッチなしの出来上がりです。
■おわりに
SM58のスイッチ付き、スイッチなしの値段は、実は同じ。
そしてスイッチ付きは、スイッチなしの状態に出来る。
あれ…なんだか…スイッチ付きの方が良い気がしてきませんか…?
スイッチ付きの方が好きになってきませんか…?私はスイッチ付きの方が好きなんですがどうですか…?仲良くしませんか…?
さあ、催眠術師みたいなノリは置いておいて、今回の記事はこれで以上です。
音響のコツについてはもう少し引き出しがありますので、また次の機会に書かせていただければと思います。
私の話が少しでも、あなたの役に立てていれば、嬉しい限りです。
この記事は株式会社サウンドハウスさんに寄稿しました。
四万十川でのラフティングで気付く、帰る家があることの良さ
地元高知県に帰省し、四万十川でラフティングを経験した、そういう話。
8月、お盆ということもあって家族で帰省の準備を進めていたところ、実姉から連絡が入った。
「あんたら帰ってくるし、夏休みやし、せっかくやから四万十川でラフティングするつもりなんやけど、どう?」
普段我々一家は京都で毎日のように家に閉じこもり、YouTubeやNetflixを見る生活を送っている。
その一報が入った時「夏休みやからラフティングでもするか!」となるアウトドア発想が実の姉ながらすごいなと思った。嫁ともそういうやりとりをした。
しかし、それはそれとして、ラフティングなんてやったことない。
何事も経験だ、人生はチャレンジだ、せっかくやからやってみようか、ということになった。
そうして、水着や浮き輪をがっつり準備して、実家のある高知県へ帰省した。
一応ラフティングについて説明しておく。
簡単に言うと川下り。ゴムボートに乗って急流を下る。ヒルナンデスの企画でやってそうなやつだ。
登場人物が多いので、関係性とともに簡単にまとめときます。
・僕…俺。末っ子長男。
・嫁…俺の嫁。
・子ども…我が子。小学生。
・姉1…僕の姉で長女。
・姪っ子1…姉1の子。小学生。
・姉2…僕の姉で次女。
・甥っ子…姉2の子。お兄ちゃん。小学生。子ども勢では一番年上。
・姪っ子2…姉2の子。妹。小学生。
・旦那…姉2の旦那。
・母…3姉弟である僕、姉1、姉2の母。還暦過ぎ。
今回は色々なアウトドア体験ができる施設へ「ラフティングしたいんすけど」と申し込み、ボートを借りる形を取った。ガイドさんもついてくれるので安心。
台風が通り過ぎて2日目。快晴とはいかないまでも晴れ間の見える高知県。
山の中なので夏の暑さもあまり感じない。京都の方が断然暑い。
川が増水してるなら危険なので中止、ということだったが、特にその連絡もなかったの。問題ないようだ。
途中、シンプルに道を間違えつつも施設へ到着。
まずは受付。ボートなどの利用料金、事故があった時のための保険料を払う。
ボートは6人乗り。我々は全員で10人なので5人2組に分かれ、そこにガイドさんが同乗する形。ボート2台分、保険料合わせて23000円ぐらい。ラフティングの相場なんて知らないので高いのか安いのかよく分からない。調べるの、意味もなく怖いから調べてない。
次に準備。ヘルメット、ライフジャケット、ゴム製の靴が配られる。
どの装備もけっこうタイトめで息苦しく感じたが、そのうち気にならなくなった。
眼鏡をかけている人には眼鏡バンドも貸してくれる。僕にはありがたかった。四万十川の激流で吹っ飛ばすか、雄大な自然をぼんやり眺めるかで迷っていたので。
準備が出来たらスタート地点へ移動。施設の上流にある橋へ向かう。
到着。まずはガイドさんから注意点やボートの漕ぎ方などを教えてもらう。
川に落ちてしまった場合、まずは落ち着つくこと。そしてラッコのような体勢を取ることが大切だと言う。
ライフジャケットを着た状態でバシャバシャやると、水面付近で浮き沈みしてしまい、水を被るのだ。
「だからラッコ!ラッコのポーズで流されてください!流れがゆっくりなところで助けますから!」
再三の注意を聞いて、多分その場にいた全員がラッコのポーズのまま太平洋まで流れ着く自分を想像したと思う。
あとはボートを漕ぐパドルの使い方とか。適当に持っていると、岩にぶつけてしまったり、人に当たったりので気をつけよう、という話。
説明も終わっていざ出発。ちなみにこの日は我々とは別でもう1グループいた。なのでボートは計3台。ガイドさんも3人。
僕たちのグループは僕、嫁、子ども、そして姉1と姪っ子1。そしてついてくれたガイドさんはおっとりした喋り方の、ドレッド三つ編みの男性。ビジュアルの個性が大爆発。ここからはドレッドさんと呼ばせてもらおう。
さて僕の持っていたラフティングのイメージは、幅の狭い急流をガンガン進んでいく感じだったが、ここでは全然そんなことなかった。
というのも、四万十川は川幅が広い。もっと源流近くなら狭いんだろうけど、このラフティング体験ができるエリアは中流域。かなりの広さだった。
流れも速くない。いや多少増水しているようで、いつもよりは流れがあるとガイドさんは言っていたが、それでもそんなに、という印象。流れるプールよりはちょっと速いか?ぐらい。
ちなみに四万十川と聞いて、清流、透明な水を思い浮かべているかもしれませんが、上流域で工事かなんかしてるせいで思いっきり白濁してました。ちょっと残念。
ドレッドさんから行程の説明を受ける。
まずは流れの速い場所を通過、その後高さ5mぐらいの飛び込みポイントがあるのでそこに停まり、その後ゆったりとした流れのエリアで泳ぐなりなんなり。ゴールまでは1時間半ぐらい、とのこと。
ということで出発してすぐに急流エリア。テレビで観るラフティングってこういう感じの場所ばっかだよね、というような見た目。
うねる水、跳ねる水。
今年30歳を迎える大人でダンディーな男、僕だが、この時点で冒険心に火がついており、ワクワクがとまらねぇぜ!状態。
ドレッドさんのかけ声に合わせてパドルを漕ぎ、突撃!
上下左右に揺れまくるゴムボート。想像以上に激しい。
前傾したかと思えば、舟先が跳ね上がること4、5回。
さながらシーソー。自分の体重と同じぐらいの人を相手にしている激しめなシーソー。
ミスチルのシーソーゲームが脳内に流れる。イエーイエーイイエェェ。
ジェットコースターの一番高いとこから落ちる瞬間のあの感じを、連続で味わうのにも似ている。
「うぉおぉおお…!」普通に声出ちゃった。ちょっと恥ずかしい。
時間で言うと通り過ぎるのに30秒もかかってなかったと思うけど、体感ではとても長く感じた。
ちなみにゴムボートは、もちろんだが、浮き輪素材の家庭用ではなく本格的な仕様。
足でシュコシュコするポンプで膨らませるやつじゃない、多分エアーコンプレッサーで空気注入するやつ。
乗ってみると分かるが、かなり頑丈で安定感がすごい。
なのでボートが転覆する怖さはない。踏ん張りも効く。
ボートの底に排水用の溝があり、揺れが激しい時はそこに足を挟み込みバランスを取る技もある。ドレッドさんに教えてもらったので実践した。
しかしボートの縁に座って急流を下るもんだから、水との距離が近い。
視点が低いのもあるだろう、スピード感がやばい。
我が子と姪っ子1はさすがに怖いと、船体でうつ伏せ状態。
どったんばったん子どもたちの体が浮いていただろう…が、自分のことでいっぱいいっぱいでそこまで見れてなかった。
急流エリアを抜け一安心。怖さと楽しさが入り混じる不思議な後味。
後方では別グループがわーきゃー叫ぶ。分かる。その気持ち、とてもよく分かる。
抜けるとゆったりとした流れが続くエリアになった。
ここに飛び込みポイントがあるそうで、一旦停泊。
約5mの崖。飛び込みポイントというか崖。下はかなり深いそうで、飛び込んでも勢いでどこかにぶつかることはないらしい。
我々一家からはうちの子、姉2、姉2の旦那が飛ぶことに。ちなみに僕は写真係。
うちの子は、正直言って泣き虫だ。
上から目線な話で申し訳ないが、泣くことか?ぐらいのことですぐ泣く。ババ抜きで負けて泣く。将来それで大丈夫か?と心配している。
しかしこの飛び込みでは立候補。
えらいぞ!強いぞ!我が子の成長をラフティング体験で見ることになるとは。
多分、非日常体験だからこそのやってみよう精神なんだろう。「怖い怖い」言いながらニヤニヤしていた。姉2旦那に支えられながら上へ。
先に飛んだのは別グループの子たち。きゃあきゃあ騒いでポンポン飛んだ。肝が座っていて素晴らしい。
続いて我が子。下を覗きこんでやはりニヤニヤしている。
そして意を決して、飛んだ。
いや、飛んでない。「落ちた」だった。
足場を踏み切ってのジャンプではなく、するっとぬるりと水の中へ。落ちた先は崖際。めちゃくちゃヒヤヒヤした。
ガイドのおじさんも「お嬢ちゃん怖いよ~」と再三呟いていた。
当の本人はにこにこしながら上がってきた。親の心、子知らず。もう一回飛ぶ!とまた登った。
「ジャンプせえよ!ジャンプ!」
思わず下から叫んだ。子どもは頷きながら、そしてまたぬるっと落ちた。
ジャンプせえよ!
背筋が凍るというかもう胃が潰れた。
見ている分には怖かったが、子どもは満足したみたいなので、口をつぐんで褒めたたえた。
飛び込みタイムを終え、またボートに乗り込んだ。
ここからは流れがゆっくりな場所を進んでいくので、その間ボートから降りて泳いでも良いらしい。
子どもと姪っ子1が川に入る。水深は10m近いそうだがライフジャケットを着ているので安心だ。
ボートの縁に捕まってキャッキャと遊ぶ。
ふと後ろを見ると、姉2一家、そして還暦過ぎた母親も全員ボートから降りて泳いでいた。母親が泳ぐ姿を見たのは何年振りだろうか。記憶にない。
それに触発され、僕も川の中へ。水は頭をつけるのに勇気がいるぐらい冷たかった。
ただそれもすぐに慣れ、ライフジャケットに身を任せラッコスタイルで上を向く。
とにかく穏やかな流れなので、水のハンモック状態。頭上には青い空。子どもの笑い声。完全なる平和。平穏の極み。このまま寝られるぐらい気持ち良かった。
ちょっと先へ進むと第2の急流ポイントへ差し掛かる。
ドレッドさんにボートへ引き上げてもらい、突入準備。
今度のは最初よりも緩やかな急流らしく、ボートの縁に座って足を外側に出してもいいそう。
子どもたち2人がそれに習い、座った状態でいざ。
ばっっしゃん!どっしゃああん!
最初と全然変わらなくない?さっき味わったやつじゃない?
わあきゃあ叫ぶ我々。
すると勢い余って、姪っ子1が後ろ向きにひっくり返った。
その光景はさながら後方でんぐり返し。あまりにもアクロバティックな光景。犬神家のアレみたいに両足を空中へ伸ばす。
そして爆笑に包まれるボート内。「大丈夫wwwww!?」「危ないwwww!」ネットスラングが目に見える。
いや普段なら「危ないからその座り方はやめとこう!」となる場面かもしれない。声を荒げて心配するかもしれない。
しかしこの雄大な自然の中。現状のおおらかな心持ち。誰一人としてそれを咎める人間はいなかった。自然ってすごい。気持ちのキャパシティが広がる。
我が子も従姉妹の所業を見てキャッキャと笑っていた、が、間を置かず自分も後方に転げた。
またもや笑いが溢れるボート内。
全員が全員、漏れなく笑顔。子どもたちはまた定位置に戻る。
そして姪っ子がまた転ぶ。今度は勢いそのまま、完全に一回転した。
実はその映像がカメラに残っていたのだが、姪っ子やうちの子の顔が映っているのでお見せするわけにはいかない。
なので僕が自宅で再現した動画を見ていただこうと思う。こういう感じだった。
こういう感じだったからしょうがないよね。
さあラフティング体験も中盤を過ぎ、急流を抜けてまたのんびりタイム。
今度は泳がずボートの上で景色を眺めていた。
四万十川の中流域。左右は山しかない。ポツポツと民家もあるが、ほんとポツポツと。
ランドマーク的な何かはない。山!川!あとちょっと家!以上!潔い光景だ。
と、ここでうちの嫁さんが突然ドレッドさんに質問をした。
「その髪、どうやって洗ってるんですか?」
脈絡は皆無。本当に突然。
うちの嫁は突然人の内側に切り込む癖がある。きっかけなくそこに行ける精神力は、僕も真似をしたいと常々思っている。
しかしあまりにも唐突過ぎませんか。これまであなたとドレッドさんは一言の会話もしてませんよね。
いや…でも一つのタイミングかもしれない。
ドレッドヘアーで三つ編みで、長さは腰まである。ヒゲもしっかりと。確かに気になっていた。何年ものなのかとか。ビジュアル面での疑問が強すぎる。
ドレッドさんは言った。
「髪はあれですね。夕方、川で水浴びするついでにこう…」
そうして頭をかいた。
どう表現したらいいか迷うが、分かって欲しいこの気持ち。
それだよ!と膝を叩きたかった僕の気持ち。
例えばここでドレッドさんに「湯沸かし器が備え付けられてるバスタブで」みたいな話をされたらこんな気持ちにはならなかったろう。
夕方に川で水浴びをする…この口調、完全にお風呂のない家で生活しているようだった。
確認はしてないが、多分そうだろう。いや、そうであって欲しい。
夕方に四万十川で水浴びをする男であって欲しい。
このアウトドアな、野性味あふれる外見。おっとりした喋り方。
その上で風呂は川で水浴び。
あぶない刑事はサングラスをして拳銃片手に車の窓から身を乗り出すのだ。
飛行機のパイロットは親指を立てて「グッドラック!」と言うし、高校球児は泣きながら甲子園の砂を集めるのだ。
そんな「そうであって欲しい」が凝縮されたコメントじゃないか。最高かよ、ドレッドさん。好き。
平和な心に拍車をかける最高のコメント、自然はより一層美しく見える。
写真映えしない僕。
さあそろそろ、ラフティング体験も佳境だ。
またまた急流ポイントに差し掛かる。今度は大きく左にカーブする。
前方を行くボートはこれまた、大きな叫び声を上げながら波間に消えた。
我々も気張らずに向かう。
前述したように、子どもたちはまた船の先に座った。
ドレッドさんが一人で舵を取る。
もう3回目で慣れたもの。「わぁ、また急流だ」ぐらいの感覚でにこやかに突っ込む。
と、ボートが岩場スレスレを回転するように抜けた。正直言って、これは真顔になる程度には怖かった。
しかしドレッドさんは「こういうもんですよ」みたいな表情だった。舵をうまく取れば船体を回転させながら障害物を避けられるのだ。経験がものを言う世界だと思った。
そしてそのまま次の急流へ。
この時「ん、前のボートが通ったルートとは違うぞ」と思った。
左側の広いところを抜けて行った前のボート。自分たちは右側の、岩と岩が並んでいるボート分の幅しかないルートへ向かっている。
ああ、でもそうか。ドレッドさんは歴戦の勇者、アウトドアの申し子なのだ。
何もかもを四万十川とドレッドさんに任せて、ボートは突き進んだ。
ゴンッッ!!
ゴムボートとは思えない、鈍い音が響いた。
勢いそのまま、右舷が岩にぶつかったのだ。
息を飲む一同。
ただ、衝撃はすごかったが、誰一人川へ投げ出されることなくそのエリアを抜けられた。
ボートの中は沈黙。いままさに起きたことが誰も理解できていなかった。
するとドレッドさんが、たっぷり溜めて口を開いた。
「………今のは事故ですねぇ…」
事故だった。
これがラフティングでの当たり前じゃなくて良かった、とみんな思ったはずだ。
だってあの衝撃、事故だったもん。首がガクン!ってなったもん。
しかしというかやはりというかなんというか、その後ボート内はまたもやあ笑顔に包まれた。
怪我をした人間がいなかったこともあるだろう「ラフティングでの予想外の出来事」として認識できた。
雄大な自然の中でおおらかになった心、その指向性が発揮された瞬間である。
「事故じゃん!今の事故じゃん!」と騒ぎ立てるやつは誰もいない。
ここは平和だ。素晴らしい場所だ。
「事故」という表現をしたので誤解があるかもしれませんが、安全面については問題なかったので安心してください。
衝撃的にはゴン!でしたがゴムボートなのでボイーンと跳ね返っただけでした。
慌てふためいて船内でドタバタしなければ大丈夫、放り出されることはありません。ドレッドさん的にもよくあること、ぐらいのリアクションだったし。
体験前の説明でありましたが、何かあった際はまずは落ち着くこと。これが大切。
そしてドレッドさんの言葉の発し方には謎の安心感がある。今後四万十川でラフティングをしたいならぜひとも彼を指名していただきたい。ほんとに。
そんなこんなでゴールに到着、最後はみんなで記念撮影。
非常に貴重な体験だったと、今思い返している。
あとになって姉2からこう言われた。
「あんたらの『帰省』って感じ、ええよね」
曰く、半日かけてやっとこさ帰る実家の存在っていいね、ということだそうだ。
確かにな、と思った。
極端に言えば、実家が徒歩数分ならこういう帰省っぽさ、田舎に帰る感は出ないだろう。
特に我々が今住んでいる京都は高知県の実家周辺と比べると、どうしても都会だ。
だから実家に近づくにつれ「これこれ、この山の中」という景色の中を通ることになる。
長らく地元から離れていると分からなくなるものだ。ほんの2、3年前の話なのに。
「田舎に移住したい!」というようなテレビ番組を見て(なんだこの企画)と思っていたが、しかしちょっと分かったように思う。
実家が田舎って、良い。
自然に囲まれるって気持ちいい。
四万十川でのラフティング体験は、忘れられない夏の思い出になった。
【随時更新】僕のライターの仕事まとめ(最終更新:2019/07/15)
初めましての方は初めまして、知ってる方も初めまして、どうも砂ずりの化身です。
ここでは僕「荒木若干」のライターとしての活動をまとめています。
見辛かったらすみません。うまくまとまってなくて。どうしたらまとまるかな。
漫画配信サイト「まんが王国」のレビューサイトです。
好きな漫画について書かせてもらえるので好きです。付き合って欲しいです。
最新記事(2019/07/12)
温かい料理と温まる心。みんなの成長記録『甘々と稲妻』そしてお米の話
↓書いた記事のまとめリンク
なんでもござれな音楽系サイトです。
実はけっこう前からライティングスタッフの一人として働いています。
それが最近名前が載るようになったので、この仕事まとめにも載せていい?って聞いたら良いって。良いってさ。じゃあ載せます。
特定の記事を書いているわけではありません。
編集部の一員として色々なことに携わらせてもらってます。京都で音楽スタジオやってる会社ですので、誰か一緒にスタジオ入りましょう。
無料で歌詞が見られる音楽サイトです。でもインタビューやコラムなど、内容は充実。
僕はボカロの曲を中心にキュレーション記事を書いてました。自分もボカロPなんだなってちょっと思った。(現在、UtaTenライターからは離れています。)
↓書いた記事のまとめリンク
愉快な気分にはなるけど、役立つことはないサイトだそうです。様々なジャンルの記事が鬼のようにあります
これは仕事としてではなく、通信講座に参加して書かせてもらいました。このブログでも以前書きましたが。
そういう理由なので、デイリーポータルZのライターということではありません。
こんな感じです。
自分の現状を色々考えると数多くはこなせませんが、お仕事お待ちしてます。
お仕事じゃなくてもいいです。楽しいことに誘ってください。飲み会のお誘いもアリです。
音楽、漫画、京都にまつわる記事、自分を追い込むのが得意です。
連絡先はこちら→y.araki.pa.man◆gmail.com
Twitterで連絡していただいても大丈夫です→jakkan_araki